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天上天下唯我独尊と、私の名前の由来 ― ご縁の不思議 ―

天上天下唯我独尊と、私の名前の由来 ― ご縁の不思議 ―

私の名前の由来について少しご紹介します。

私は、俗名を 唯(ゆい)、僧名を 唯明(ゆいみょう) と申します。

「唯(ゆい)」という名前は、初対面でほぼ必ず「女の子みたいだね」と突っ込まれます。
たしかに珍しいかもしれませんが、実はちゃんとした由来があるんです。

父は、お釈迦様が生まれたときに発したと伝わる言葉、「天上天下唯我独尊」 が大好きでした。
この言葉には有名な逸話があります。
お釈迦様は生まれるや否や七歩歩み、天と地を指さしてこうおっしゃったのです。

「天上天下唯我独尊」

七歩歩かれたというのは、六道輪廻から一歩抜きんでた存在として生まれたことを意味すると言われています。
生まれたばかりで歩くなんて……さすがお釈迦様! という感じですね。

もちろん、「自分が一番偉い」という意味ではなく、
「人は誰もが唯一無二の尊い存在であり、比べる必要はない」
という大切な教えです。

父はそこに共感し、生まれる前から「男でも女でも“唯”と名づける」と決めていたそうです。

兄がいたこともあり、父は「今度こそ女の子を」と願っていたと思います(笑)、フタを開けてみれば……また男の子。つまり私です。
父の内心は「おっと、またか!」だったかもしれませんが、名前は最初から決まっていたので、堂々と「唯」となったわけです。

私もありがたいことに人の親とならせていただき、最初は男の子が三人続きました。
そのときの心境は……たぶん父と同じ。「次こそは!」と。
「もう女の子は無理かな」と半分あきらめたころ、四人目に思いがけないプレゼントのように女の子を授かりました。

そのとき、ふと父のことを思い出しました。
もし孫に会わせられたら、きっと目を細めて喜んだことでしょう。

そして、もう一つ不思議なご縁があります。
家内はなんとお釈迦様と同じ 4月8日生まれ
お釈迦様の誕生の説話から「唯」と名づけられた私と、誕生日までリンクしてしまう相手と一緒になるとは……ちょっとした出来事にも妙な巡り合わせを感じます。

実は家内とは中学の同級生でした。
初めて顔を合わせたときに、なぜか「この人と結婚するんだろうな」と妙に確信めいた思いが浮かんだのです。嘘のようなホントの話で、誕生日のことなんてまったく知りませんでしたが、後になってみれば**「ご縁って不思議なものだな」**と思います。

さらに「ご縁」といえば、お釈迦様が後に悟られる 縁起の法 があります。
これについては、いずれ改めて詳しくお話ししたいと思っています。

こうして振り返ってみると、私の人生は「唯」という一文字に込められた父の思い、そして家族とのご縁とともに歩んできたのだと思います。
これからも、この不思議なご縁に感謝したいと思っています。